Hondaの生産技術屋さんがソフトウェア開発でアジャイルを初導入し組織変革に挑戦

作成
2020-02-15
更新
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概要

ホンダエンジニアリングでは、Hondaの生産ラインの競争力を上げるための設備・金型の研究開発を行っています。
これまで、ソフトウェアエンジニアは発表者も含めて「一匹狼」としていろいろな部門に点在していましたが、時代の流れで製造現場におけるIT技術の重要性が高まったことを受けて、数年前より1つの組織に集約され、ともにつくるようになりました。
これまで「自分のウデだけで開発」していた属人的なソフトウェア開発を、体系的にするために試行錯誤しているなか、アジャイル-スクラムに出会い、試験導入を行っています。
本セッションでは、日々新たな発見や苦悩、喜びを味わいながら成長している様子を、現場のアジャイルチームや組織変革に向けた挑戦の事例と共にご紹介いたします。

https://event.shoeisha.jp/devsumi/20200213/session/2348/

スピーカー

  • 岩根 義忠[ホンダエンジニアリング]
  • 松浦 洋介[NECソリューションイノベータ]
  • 星 直人[ホンダエンジニアリング]
  • 矢田 将[ホンダエンジニアリング]

スライド

Togetter

https://togetter.com/li/1468009

内容

  • 製造業におつとめの人:会場の1/4
  • 「Honda」らしさの企業理念
    • あるものの、すべてにおいて浸透しきっているわけではない
    • 何かあったときに立ち返れる意味では浸透しているのではないか
    • イメージワード:自由闊達自主自立・ワイガヤ・プロジェクト制
    • 原体験(なぜアジャイルを目指すようになったのか
      • タイの新しい工場でのビッグプロジェクトへの参画
      • プロジェクトメンバー・日本人海外支援者→一丸となって
      • 悪い体験
        • 数年かけたプロジェクト
        • ユーザーも巻きこんでともにつくりあげた
        • しかし、運用開始後1年後に使われていなくなっていた
      • そのときのHondaの環境変化
        • 属人性を取り除いて組織でできるようにしたものの
        • なんちゃってウォーターフォールができあがってしまった
          • 新人の負荷が大きい
          • 新人の外部流出
          • 結果的に属人化から抜け出せなかった
      • ちょっとやり方を変えた
        • 動くソフトウェアの開発を行って、ユーザーのフィードバックをつくるようにうなるとわかりやすくなった
      • OneTeamを促すプロジェクト制は優れたやり方だったが、カットオーバー後の変化に追従できない
      • OneTeamでかつ組織的に仕事を進めて行くには、属人化を布施が名駆ればならない
    • 導入に向かっての道のり
      • 2019年4月
        • 20人のグループリーダーに役割変更
        • そのときに下にいたチームリーダーが「管理屋の仕事は僕たちが全部やるので岩根さんは先に事を考えてください」
      • 2019年8月
        • 苦悩した結果アジャイルにいきついた
        • どちらかというと、これまではネガティブな方法
        • チームメンバー20人でCVF分析したところ官僚文化が浮き彫りに
        • その中でNECの松浦さんに出会う
          • 響いた言葉1「最初はアナログスタート」
          • 響いた言葉2「スクラムの期限はHondaのやりかた」
      • 2019年9月
        • スクラムを導入すると決めて一気に走った
        • 開発体制:
        • 共通言語化するためのオンライサイトセミナー
          • 関係者のみでやるつもりが、募集をかけたら60人以上あつまった
          • 結果的に社内全体で共通言語ができた
          • VSMによるボトルネックの可視化
            • アジャイルと様々なプラクティスを組み合わせることで効率化を狙えることを可視化
      • 2019年10月
        • スクラム開始することで一番大事にしたのは「振り返り」
        • なるべくチームに帰ってくるため
        • 問題が発生したら一つずつ潰してく
        • スクラムマスターから7つの質問
          1. 最初からチームとして成立していたの?
            • 矢田さん:部門が違っててぶつりかあいが生じていた「誰かが足をひぱってる」みたいな会話が
          2. プロダクト—ナー、スクラムマスターはどのようにして決めたの?
            • 矢田さん:わくわくした。キャリア的にも非常に有意義に感じる
            • 入社歴が浅かったのと、温和なタイプで組織として珍しかった
            • 共通しているのは「今のままではダメだ」というのを感じて行動しようとおもった
          3. 結局、チームとして何が一番大切なのか
            • 何を期待しているのか
            • どこに向かおうとしているのか
          4. ベロシティって上がらないし、周りに見せにくい、どう管理したらいいの
            • 矢田さん:板挟みは起こってた
            • ベロシティをあげることは本当の目的ではないので参考値として捉える
          5. 一時的でも、ベロシティを下げるプラクティスってどうなの?
            • 矢田さん:チームメンバーを育てるという意味ではPOとしては素直に抵抗はあった
          6. 開発チームに委ねるのって怖い?
            • 矢田さん:すべてを委ねるというのは怖かったが、一緒にやる意味ではそんなに怖くなかった
            • 松浦さん:いざというときは止めることも候補にあったが、今のところやばいと思ったことはない
          7. チームの成長を促す方法って結構難しい。どんなことをすればいいの
            • アジャイルコーチ:コーチングをして自分で気付かせるようにした。もどかしいところは多い
            • 失敗を恐れない姿勢
    • その後
      • 開発社:全体的にいい声
      • 観察者・支援者の声
      • マインドの変化
        • 協力メンバーに仕様書を作って責任を押しつけるというよりも、わかり合う形に変わってきた
      • 官僚主義なCVFが家族文化になった
    • これからの展開と課題
      • 対象を広げて横のプロジェクトに導入
      • フェーズを広げていく
    • これからスクラムをやるには
      • 導入に悩んでる人自身が、アジャイルなマインドで進めて行く

感想

  • 最後の言葉が響いた「導入に悩んでる人自身が、アジャイルなマインドで進めて行く」
  • いわゆる「大手企業」といったところでもアジャイルを導入しはじめ社内文化が変わってきたというのが印象的だった