チーム・ジャーニー 〜逆境を越える変化に強いチームをつくりあげるまで〜

作成
2020-02-15

概要

チーム開発の練度が低く、アジャイルから距離のある「逆境」からどのようにしてプロダクト開発のためのチームを立ち上げ、チームとしての成果をあげていくのか? 「スクラムを導入する」を出発点に置いて、果たしてチームは思うように進んでいけるでしょうか。ましてや開発するプロダクトが「これを作れば良い」という正解など誰も持っていないような、不確実性の高いものだとしたら? 今、チーム開発の在り方そのものを問うときに来ていると私は考えています。狭い役割定義で調整を中心とした在り方から、仮説検証による学びを中心とおいた「ともに考え、ともにつくる」在り方へ。そのための鍵は「ジャーニー(段階)」にあります。新たなチーム開発への入り口となる書籍「チーム・ジャーニー」とともに、このセッションをお届けします。

https://event.shoeisha.jp/devsumi/20200213/session/2383/

スピーカー

  • 市谷 聡啓[DevLOVE]

スライド

Togetter

デブサミ2020【14-A-1】チーム・ジャーニー 〜逆境を越える変化に強いチームをつくりあげるまで〜 #devsumiA - Togetter

内容

  • やってること
  • 我々がプロダクト開発で直面する課題は?
    • 不確実性との戦い
      • 誰も正解がわからないなかで前に進んで行く
    • プロダクト開発における不確実性
      • 何を作るべきかの正解がそもそも決まっていない
      • 作り手の方向性や関係者の期待があるため、意思決定・合意形成が容易でない
      • いろんな手法もあるが理解不足や練度不足で成果につながらない
        • 加えて組織変更も存在する
    • その中でも「傾き」が問題
      • 「これまで」というものが邪魔をする
      • 分断が生まれる
        • これまで
        • 新たな
        • の2項対立世界で足の引っ張り合いをする
      • 変化格差を「段階」という概念でなめらかにする
        • 一気に理想に辿り着くことを狙わず発展の段階を設計し、求められる変化量を調節する
  • 「段階」によって何を解決するのか
    • ウォーターフォールとアジャイルの2項対立が「全体性の欠如」を作ってしまった
    • アジャイル:少しずつ繰り返しながら形作る
    • しかし、われわれはどこへ向かいたいのか
      • 1週間のタイムボックスと単一のリストだけで自分たちの意思をかたちにするのは難しい
      • 希望があるからこそ、自分たちの歩み自体を楽しむことができる
      • そしてそれが次に進む石になる
    • なので段階を持ち込む必要がある
  • 「段階」とは
    • 自分たちが到達したい地点を見立、そこにたどりつくために必要となる状態を構想すること
    • 分かったことに基づいて、構想自体を変化させる
    • 段階の青写真は当事者に方向性を与える
    • 不確実性の高い状況では、チーム・ステークホルダーとともに「理解」と「意思決定を共通にして歩みすすむこと」
    • 段階=ジャーニー
      • 現状の文脈から分断した環境を作る
      • SoE開発を通じてチーム作りに集中し、しかるあとに本丸に取り込む
    • ジャーニーは重なり合うため
      • 少しずつ(インクリメンタル
      • 繰り返し(イテレーティブ
      • 段階的に(ジャーニー
      • 段階的に発展してく=進化
      • 当事者として意思のある進化を仕組み、その上で変化に適応していくこと
  • リーン・ジャーニー・スタイル
    • セットベースで選択肢を広げ、ポイントベースでアウトプットを結実させる
    • 選択肢を広げるために多様性をりようする
      • 他の人に頼る
      • 排除するのではなく巻き込む
    • 段階の設計によって、経験による学びを踏まえた当事者の意思決定を着実にかたちにしてく
      • 着実に形にしていくのがポイント
    • 変化への適応性を確保するために、ミッション、フォーメーション、チームの手技とを動的に選択する
      • チームの主義を動的に選択する
    • 仮説検証:重層的仮説検証
    • プロセス:ジャーニースタイル
    • チーム:フォーメーション・パターン
    • アーキ:適者生存アーキテクチャ
    • 今回は仮説検証だけ触れる
  • 仮説の外在化
    • これまで)POひとりの解釈を一方的に伝える
    • これから)仮説キャンバスで仮説を外在化(誰でも表明できる)
    • 外在化するとPOの視座をプロダクトの上限にならなくなる
    • プロダクトオーナーの民主化
      • PO一人の視座、視野からチームの視座、視野へ
  • 重層的仮説検証
    • チームの合意形成として
    • 最初は誰もが半信半疑
    • 意味あるものを作りたいという意思にPOや開発社という分け隔てない
  • この先にあるものは?
    • ともに考え、ともにつくる
      • 固定的な役割を中心した「調整」から仮説検証による学びを中心とした「ともに」へ
    • そのためには?
      • 分断2項世界や格差
      • 「我々はなぜここにいるのか」
      • 自分十進のミッションと役割を問い直し続ける必要がある
        • プログラマだからプログラミングをやるわけではなく、課題に対してどうコミットするのか
      • 「あなたは何をする人なのですか」
  • 実際は難しい。答えきれるわけではない
    • だからこそ「チーム」がある「ともにいる誰かがいる」から、
    • 他社の存在によって自分が何をなすべきかがわかる
    • 誰かといることで何者かにはなれる

感想

  • 開発にしても制作にしてもいきなり無理なところを狙っても仕方がないので「フェーズを切って進めましょう」みたいなことが組織開発においても同じように応用できるかと思うとすごく理解しやすかった
  • 冷静に考えると急な変化に対応するというのは至極当たり前なことなのだけど、チームを作るときに抜け落ちてた視点がこういう形で聞けたのはよかった
  • チーム・ジャーニーの本は買ってしまいました...!